106書き物。グリダニアでの・・・・・・5。

緑生い茂る街。グリダニア。黒衣森という、樹齢が数百、数千を数える鬱そうとした森。

その中にある街ゆえ、深遠な空気と静謐な空気がよく似合う。

しかし。

とうとうと流れる泉に、廻る水車。人の活気。これらが交じり合って絶妙な雰囲気を醸しだしている。
街というものは、人との交わり無くしては立ち行かない。

そして、最近は冒険者なる人達が街を騒がしているのも確かだ。

その一角。


槍術士ギルド。

鬼哭隊と呼ばれる、自治自衛隊の詰め所。


グリダニアの朝は遅い。木々によって朝日が遮られるから日中自体がまず少ない。

でも。

「やぁっ!」気合の入った少女の声が響く。

グリダニアだと、まだ朝だろう。他の街だと昼前だろうが。そこはお国柄。

というわけで、詰め所では訓練が行われているのである。
それも「朝の鍛練」

「もう、休憩してもいいですか~?」とはブルーグレイの髪を肩あたりで切りそろえた小柄な少女。

「軟弱な!」と、茶色の髪を逆立てるようにした青年。

ちなみに、彼はこの少女に速攻一敗をくらって、その後3敗0勝。
少女は、彼以外に数人と手合わせして、3勝2敗と好成績。

さすがに10戦目は負けそうな気がして休憩を申し出たのだけど。

「7勝2敗はすごいのにゃー」とミコッテの隊員から言われて、少しは満足。

「さすがに疲れた・・・。」と、ぐったりする。
その後も実戦さながらの模擬戦は続いてたようだけど。

時間は・・・・。そろそろお昼になる頃か。スウェシーナさんの息子さんに付き合ったとはいえ、いい時間だったかな?
いきなり肩を叩かれ。
「マユちゃん、お昼ご飯にしようか。」と、茶色い髪の青年が言ってくる。
「え?」

正直、この鬼哭隊の仮面は慣れない。誰だかわかんないし。
「えーと?」

「僕だよ。」と。仮面を外す。
イヤ、まじわからない。その仮面。で、その馴れ馴れしさは?

まあ、無下にもできないし・・・。カフェまで行こうかしら。

と。

途中で悲鳴?が聞こえる。

「なに?いまの?」「とりあえず行こう!」

が。行ってみれば先日の公園。

「えーっと、ニコリオー君だっけ?」とあたしが聞いてみた。
「あれ、おねーちゃん。覚えてくれてたんだね。」

そりゃそーだろ。

「君、さっきの悲鳴は知ってるかな?」とはネルケ。

「うん、今さっきー。ここで冒険者のおじさんが倒れちゃったんだー。
あんなので倒れちゃうなんて、ソコのお兄ちゃんレベルだよねー?」

「ね、ネルキ。あの小僧フッ飛ばしてもいいかな?」
「や、ダメだろ?それにまた名前間違えてるよ?」
「ソコじゃないでしょ?」
「ソコ以外というか、ドコから突っ込んだらいいのかなあ?」

「あつあつカップルさんさー、その人さっきカフェに運ばれていったから、見てきてよー。」

。。。

「いや、そういうのでは!」とネルケ。


「坊主。そういうのは相手見てから言えや?」と。頭を抱えてコメカミをナックルでえぐる。

「待って、マユちゃん、それはだめ!」





少年の寿命は鬼哭隊によって守られました。


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アントニオ猪狩張りの弓を引くストレートを子供に・・・・。
Bob Dalus (Hyperion) 2011年12月28日 21:38

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>ぼびー、いらっさいw
むしろヘッドロックか、チョークスリーパーに+コメカミぐりぐりじゃないかなあw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2011年12月29日 00:12

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