62書き物。バデロン&ウルスリ編の2

アレッサンドロ・ガッビャーノは、懐かしの故国に戻ってきた。
今、住んでいる実家も潮風が心地いいが、この故国ほどではないのかもしれない。

「バデロンのヤツ、なんだってんだ?」

港について、懐かしい光景と、潮風に感慨にふける。

遠目に見やると、おそらくは船籍を偽ってるのだろう。懐かしい船も見える。
(なんでバレないのかが、一番のナゾだよなあ・・)と思ってみたり。

さてと。

街の中心、高さはかなりのものだが、それでもさらに上がある街の。ある意味、本当に真ん中。
そこに目指す酒場がある。

「溺れた海豚亭」

旧友に逢うべく訪れたわけだが、どうにもしっくりこない。
理由はカンタンだ。「恋わずらい」か?まったくもってどうでもいい話だが、娘の活躍も聞ける、となると、少々付き合ってもいいかな?とも思える。

広いホールまでもう少し。この階段てのがどうにも長すぎる。昇降機なんてものもあるが、どうも性に合わない。もしも壊れたらソレこそ終わりだ。

そんなことを考えながら、階段を上りきると、声を出す。
「バデロン!きたぞ!」

「よー、大将!待ってたぜ!」ヒゲの男が応える。

カウンターに行き、まずは一杯、ラムを頼む。

「で?ウチの娘をたぶらかそうってのか?」一応の牽制はしておく。本当なら久しぶりに斧の出番だが・・・。

グラスにラムを注ぎながら。
「まさか! あの嬢チャンには、手なんか出さないですってw」
「ホントか?」
「マイスターの斧なんざ、食らったら即死確定じゃないすかw」
「で、本題は?言っとくが、本題には興味が無いのと、娘の活躍を聞きに来たんだぞ?」

坊主頭に刺青みたいな刈り込んだ模様の男は、あきれたような、しかし興味はある、フクザツな表情だ。

「マイスター、実は女の問題でな。」とバデロン。

「そんなことは知ってる。パールでも言ってただろう?」
「いや、それなんだが、ちょっと気がつかないか?」
「お前のマヌケ面なら、今更だが?」
「あー。ちょっと左にさ。居るはずの女がいないだろ?」
「ん?」
「俺からしたら右なんだが。。。」
「もしかして、ウルスリか?他の男に持っていかれたか?」
「いや、それはナイとおもいたいんだがな・・」
「面倒くさいヤツだな?」
「まあ、ソレはわかってるんだが・・。」




実は二人は今居ないエレゼンの女性とは、かなり昔から知り合いではある。
海賊船、アスタリシア号のクルーだった時から。

当時、旗艦アスタリシアと僚艦のガレー船2隻でリムサ・ロミンサ~ウルダハの航路で右に出るものはない勢いで海賊行為をしていた。が。
あるとき、難破していた船を見つける。
どうにもグリダニアから来たらしい。航路もないのに、ウルダハの南を通ってわざわざコッチに来た、という感じだった。
そして、船には。

幾人かの船員と、一般人が乗っていた。
その中の一人に、エレゼンの少女が居た。
クルーたちは、船員を奴隷にすべく、船に入れたが。
少女の末路はお決まりの慰み者の後、売り払われる。
が。

「ちょーっと待った。」とバデロン。
「この子は俺がもらう。」
「なんだと!」とクルー達。
「おっと、お前ら、賭けの負け分、今すぐ全額清算できるってんなら、好きにしてもいいんだぜ?」
「ちっ!」
「俺からも言わせてもらうぜ。」とアレッサンドロ。
「こんな子に、手出すようじゃ、誇りあるアスタリシアの名が泣くぜ?」
「マイスターまで言うんじゃしょうがねえ。」

その後、バデロンの小間使いとして少女は船で過ごしていく。



「昔話に華咲かすのもいいんだけどな?バデロン?」
「あー、そうだな。あのしばらく後に、アンタのカミさんが船をボロボロにしちまったよな」

「出逢いの時だった・・・。」
「イッペン死ね、サンドロ。」
「で?」
「いや、この前、客に超別嬪が来てな。」
「ウチの娘じゃなかろうな?」
「ちがうちがう!ミコッテで、こう黒髪を後ろで二つに束ねててだな。話しかけると、絵描きだとか言うんで、ちょこっと描いて貰ってたんだよ。」
「で?」
「したら、横合いからウルスリが。「明日からしばらくお休みをいただきます」と」
「いや、口説いてたんじゃないんだが。」
「お前、いい加減、覚悟きめろや?」
「で、パール使っても返事ひとつないんだ。コレってやっぱマズいよな?」
「嫁、確定じゃないのか?解決としては。」
「・・・。」



男たちの談義はこの後深夜まで続き。

「ちょっと、アナタ!お店どーすんの!!」と、パールからの声に目が覚めたアレッサンドロは、
「え?あ?お?・・」と意味不明の言葉を発しつつ。そのままカウンターに突っ伏してしてまた寝てしまった・・・。


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慰み者ハアハア@@;w

は置いておいて帰ったらかーちゃんの鉄拳フルコース制裁確定だねコレ・・・・。
Bob Dalus (Hyperion) 2011年11月04日 23:37

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>ぼびー、いらっさいw
やっぱそこに食いついたかwでもまあ、海賊ってそんなもんだろうし。
フルコースは確定。お気の毒に・・。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2011年11月05日 00:41

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最初リムサ着いて散歩した時は街中に海賊船?!って最初は思ってたけど、街公認っぽいのがリムサらしいですよね。
提督も海賊出身らしいし。
出会いの時だった…はウケました。(笑)
Alto Springday (Sargatanas) 2011年11月07日 02:21

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>アルトさん、いらっしゃい♪
じつは結構ノリだけで書いてますwそこはかとなく、伏線もしのばせてますがw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2011年11月07日 02:54

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絵描きのねーちゃんて、しぇりるさんか!!!
と描いたら、次の説明で書いてあった(;・∀・)

PCが、どういう風に小説のキャラにからむのか楽しみw
Rifeal Ford (Hyperion) 2011年11月08日 18:12

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>りふたん、いらっしゃい♪
うんw他ワールドのアルトさんも交えて、いろいろw
Ls編はドンちゃん騒ぎにしたいなあw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2011年11月08日 18:28

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