46書き物~グリダニア編?

ヒンヤリとした、湿気とむせかえるような「緑」の香り。

樹齢何百年、いや千年を越すような巨木の茂みの上。降り注ぐ陽光は心なしか緑色に染まっているかのようだ。

そして、その道を一人の少女が進んでいく。グレイの髪に格闘士だろうか?ナックルを腰にぶら下げている。


木漏れ日の下、苔むした道を少し足早に、あたしは進んでいた。

目的はキャンプ・ナインアイビー。黒衣森の東がわにある、キャンプのひとつ。そこにいるであろう、鬼哭隊のメンバーだ。
皮のジャケットが少々蒸し暑い。しかし、目的のためには仕方がない。
ガチャガチャと音を立てては敵に見つかってしまうかもしれないし、帰れば水浴びでもすればいいのだ。

「あっちぃー。。」

あたしはつい、こぼしてしまう。仕事にグチをたれるのはいつものことだが。

「テレポできりゃあねえ・・・あ、あと、チョコボくらい使わせてよね。」

自慢の髪をゆらしながら、ぶつぶつこぼす。こうなるともうずっとぶつぶつ言ってしまう。

見えた。
キャンプだ。

入り口手前の岩場から、隊員がいるのを確認する。どうやら背中を向けているらしい。
一息ついて。



両手に武器をつける。ヒマンテスという格闘武器。そして呼吸をゆっくりにして。

タイミングを見計らって、低姿勢で走りだす。
隊員は気がついていない。背中に槍と、スケイル(ウロコ)アーマーの男は前方を見ながら、暢気にあくびなんぞをしている。


「(楽勝ね、これは。)」


仮面の男が振り返った時には、すでにあたしの拳は男のみぞおちに食い込んでいる。
「げはっ!」男がむせかえる。

続いて、くるりと身体を回転させて、その勢いを使って裏拳を放つ。槍に手をかけようとした男の仮面にクリーンヒット。仮面が吹っ飛ぶ。

しかし、槍を手にした隊員は、突きこんでくる。「くそっ!」
だが、間合いはコッチのもの。長いエモノでどうするのか見ものではある。

が。

石突(槍の後端)を地面につけ、顔に向けて土を飛ばして来る。思わずよけた拍子に間合いを開けられてしまう。(よしよし。このくらいじゃないと)
「この間合いなら、こっちのモンだぜ?」

「・・・・・・・・・。」
いきなり、男の顔にでっかい水の球がまとわりつく。「ドラウンII」だ。
「ぶぼっっごぼっ!!」

「はい、コレにはビックリしちゃったかナ?」
「く、ぐぼお!」男は必死に槍を繰り出す。油断している少女はよけれないだろう。
ふっ、少女の姿はその場から忽然と消えるように移動する。羽のような足運び、フェザーステップだ。

そして、男の腹にそっと手を添える。
瞬間、男の体が後ろから蹴飛ばされたように前のめりになる。
零剄。こめた気合が後ろまで突き抜けてしまう、格闘の秘技のひとつ。熟練した者しか扱えない技だ。


あたしは ひょい、と軽い動作で男の身体をよけると、とん、っと男の足を払う。
その際、ケガをしないように男の槍は奪っておく。
「はい、終了。」
男は倒れたまま無言だ。

パールを取り出し、相手を呼び出す。
「スゥ、いるー?終わったわよー?」
「あ、レティ?やっぱりダメだった?」
出たのは鬼哭隊の若き副隊長、スウェシーナ。まだ少女ながら槍の腕は元隊長である父親譲りだろうか。並み居る男達より数段上のレベルにある。
「さっすが、天魔の魔女。ひゅーひゅー!」
「チャカさないw」レティと呼ばれた格闘士は、その場で倒れた男にレイズとケアルをかけてやる。
「う。 う。う・・・これでウチの連中は全滅ですか?」
「そーね。スゥが嘆いてるわよ?」
落ち込む男。
「・・・・天魔の・・魔女に・・・勝てるわけ・・ねぇし・・。」
精進なさいwと声をかけて、ふっと姿が消える。

デジョンでグリダニアに戻った少女は、その足で詰め所に行き、もう一人の少女と共にカーラインカフェに行く。
看板娘のミューヌが出迎えてくれる。
「あーレティシアさん、スウェシーナさん。お疲れ様です!どうぞ!」
エレゼンの少女とも同年代のおかげで、3人は仲良しだった。

「で、今日の首尾はどうだったんですか?」とミューヌ。
「らっくしょーよ!」とあたし。
「帰ってきたら、特訓ね!」と少し悔しげなスウェシーナ。

実はあたしは、抜き打ちで実戦訓練するという方針で、その相手役のバイトをしているのだ。
格闘士にして、幻術もマスターしているあたしについた、ふたつ名「天魔の魔女」はダテじゃない。ポニーテールをゆらしながら勝ち誇る。

「んじゃ、約束どうりスイーツ食べ放題、スゥのおごりね!」
「卑怯だー!今度はハンデつけてもらうわよ!素っ裸でいくとか!」
「ドあほう!」「アハハハ!」

3人の午後はこうして過ぎて行く・・・・・。


----------コメント----------

ん?新キャラ?
Bob Dalus (Hyperion) 2011年10月26日 02:40

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>ぼびー、いらっさいw
伏線、みてないなw設定のトコ見るようにw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2011年10月26日 03:26

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魔法も一つアクションに付けて格闘してるので、読んでてテンション上がっちゃいました。
格闘ってStrよりIntが高いんですよねー。
お母さん強い…!!
Alto Springday (Sargatanas) 2011年10月29日 15:25

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>アルトさんmいらっしゃい♪
テンション上げ上げで行きましょうw魔法は基本的に回復しかつけてませんが、この親子はなんか魔法で不意打ちが好きそうですw
ママはグリダニアから早い時期から飛び出して、アレコレと経験を積んでいたが、帰ってきて諜報活動をしている、ということでwなので、あっちこっちに詳しいのはそういうことですw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2011年10月30日 00:56

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