EX5外伝。剣聖の・・

「おいおい。」
旧友の一言目。
黒髪のエレゼンの男性。優しげな笑みは少しぎこちなく。
「あ、すまん・・。おいらとしたことが。」

場所はグリダニア。冒険者の集うカフェ、カーライン。

「で?」と、黒髪のエレゼンの男性は緋いローブ姿から察するにソーサラー、またはキャスター、か。術式の使役者。
その功績であったり、現場や、その他での功績というのか。
いつになく付いて廻る「二つ名」
エレゼンの彼は、今は「隠者」あたりで・・・
だが。
かつての「二つ名」は・・「発火者」と。一際、火系の術式に聡く、そう呼ばれていたのだが、引退し、まさに昼行灯・・と言えば、怒るだろうか?微笑を浮かべるだろうか?
「まあ、その。」
二つ名になぞらえば。
「剣聖」
赤銅色のるガディンは、年齢としてはさほど変わらない相手に、こう・・
頭が上がらない、というか。
年齢といえば、それほど変わるものでもない。
ただ。
彼の娘と、自分が教えをと。その二人の。二人の少女を預かって、教えを授けて・・いたはずではあるし。が、ここで自分が至らないかもしれない。
「自習」という名目で、弟子を野に。
まだまだ、とは、弟子だけではあるまい。己にも。

内心の葛藤はさておき。

「おいら、としては。教えるべきところは、教えた。と。だが、至らない点を、おいらが教えるのも難しい。なので、彼女達の感性を信じて見ているよ。」
「なんていうか。まあ。いいよ。」
エレゼンの術師は黒髪をばさりと後ろに撫で付けると、杯をあおる。
「アル・・。」
「ユパ。俺たちの出会いはまあ、いいさ。よくあることだろ?」
「だな。」
「お前。あれだろ?」アルフレートは優しい、が、鋭い視線。
「なんだ?」白髪のガディンは少し汗ばむ。
「剣聖、か?」
「言うな。」
「言うよ。・・・猟犬、か。そして・・。」
「言うな・・。」
「その「名」を継いだんだ。「そこ」なんだろ?」
「やめろよ・・。」
「いいや。言うね。「剣聖、サン・スパーダ。誇り高き騎士」 女性、それもミコッテの。その名は、叙事詩に語り継がれる。彼女の名は・・知るものしか知らない。確か・・アイ・・」
「・・やめろ。」
「アイ・クオーレ。彼女の最後の弟子、だろ?」
「!」
「ハウンドも、あのシゴキは耐えるのはよっぽどの物好きだって、ずっとこぼしてたしな。」
「何が言いたい?」
危険な瞳。
「俺の娘を預けたんだ。それに・・ヴォルフのトコも仲良くなってるみたいだしな。」
「ユーニ達か・・。」
「それと、お前のメガネに叶った娘もいるんだろ?」
「・・・ああ。」
「わかったか?」
エれゼンの術師。目は真剣だ。
「わかった、よ。おいらが悪かった。剣聖。その名に恥じることがないように、な。」

新しく・・ワインのボトルが。
「では、乾杯?」アルフレートが緋い液体を・・
「ああ。」応えるユパ。
が。「っと、これは?」
ルガディンの言葉に、給仕の娘オーアは。
「あちらの・・あれ?ええ?」空席を見つめる。
「あの・・。」ミコッテの女性はモーグリに鼻をつままれた感じで・・。

「まあ、乾杯。だ。」
そうだな。
久方ぶりの二人は、さらに話を続けるべく、杯を重ねる。


「アイ殿。ひさかたぶりなのよな。」
「ホラン殿。なにも言いますまい。」
「あー。ホラン殿?霊災で遺骨が吹き飛んだからといって・・。」
「シ殿?おや、サ殿も。」
「なんか楽しそう!」
「ヴィント!」
「はあ。ワタシ、もう寝る。」
「アイ殿!」「お疲れ様でした。」「え?もう?」

「なあ、ミュー?」
物憂げな女主人
「レティさん?あの・・」
「なんだろう?あたしはさ。ゆっくりしたかったんだ・・。」
「お察しいたします。」


----------コメント----------

剣聖の名は、誰が引継ぐのか、、
今まで考えたこともなかった(@x@;
Yupa Boleaz (Ragnarok) 2013年12月29日 07:47

----------------------------

>ユパ様、たしかに・・・
一介の狩人がどうやって剣聖になりえたのか?
というテーマで今回はすすめておりますw
さて、ミーは「剣聖」になるのかしら?w
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年12月29日 13:17

<<前の話 目次 次の話>>

マユリさんの元ページ