671.5外伝。新商品。

とある街の一角。
潮騒がオフィスにも届く。
霊災の後でも、人は変わらず己が人生を全うするための努力を欠かさない。
欠かした者は、ただ朽ちるのみだ。
そして。
「社長。」
ミコッテの女史は、冷徹というよりも、「氷河」という遠方にあるという氷の河レベルの声音で。
「ん?」と、デスクに向かう黒髪のミコッテの女社長は素知らぬ顔。
「覚えていますよね?」さらに声の温度が下がる。
「せんちゃん、クチの中に氷とか入ってない?」トボけて見せる。
デスクの上には膨大な資料と、その結果、および集計、会計、在庫、その他。
ほんの7日ほど?留守にしただけでこの書類の山。
ただし、その全ては目を通すだけでいい。
1メートルを越すのでは?という書類の山を3つくらい目を通し、最年少で幹部にしたヒューランの女性の仕事に感服する。
「レイの仕事ぶりには、確かに感服します。私ですら一人でこの量をこなす自信はありません。」
「そう、レイには特別休暇をあげないとね。」
「そうですね。」
「ま、後はエリスに任せておけば大丈夫でしょ。」
「あの子は書類関係だと、おそらくナンバー1でしょう。」
「そうねえ。」
「で。」声の温度がさらに下がる。
「なあに?」勤めて爽やかに。
「コロセウムでの一件ですが?」目に殺気もこもっている。
「あ、せんちゃん、負けちゃったものね。まあそれは私もだから。」にこにこ。
「ちっっっがあああああっっっううっっっ!!!!」ついにキレた。
「え、ボーナスあげたでしょー?」と、社長は上目遣いに・・・・・
「人を半裸状態にしたまま、尻尾触り放題のお子様を押し付けてっ!」瞳孔が大きくなっている。マズイ。
「あ、その件ね。それはエリスが悪いのよ?あの子、アナスタシアちゃんをそそのかしたみたいだし。」笑顔でなんとか乗り切ろうと。
「ソコぢゃないっ!」もはや、剣を抜きかねない。
「あ、そうだ、近所に美味しいスイーツ見つけたの。どう?」論点をずらしては見るが。
「ほう?」剣はすでに半分以上が抜かれている。
「な、なにか私、悪いことした?」と改まって。
「見てた。」目が据わっている。すでに愛刀デュランダルはその刀身を魅せている。
「あ、アレね。その。なんていうか。新商品の開発に必要だった、のよ?」両手を挙げて降参のポーズ。
「ほう?」ぢゃりん。名刀が鞘に収まる。
「あのね、せんちゃん。小さな子がさ、ふかふかの尻尾に興味あるってのがエリスの時にわかってね。
ほら、せんちゃんとエリスって、少し尻尾ちがうじゃない?なので、どっちがいいのかな~?なんて。」
「ほほう。」
もう一度抜刀の準備。
「コワイって、せんちゃん?」
「何故ご自身でお試しには?」
「だって、敏感だし?」
「ほう。」瞬間の抜刀、そして。デスクが真っ二つになり、書類が舞い散る。
マホガニーという木材は、質量、硬さ、耐久度、高価と、その全てをクリアしている素材だが。魔剣の一閃であっけなく半分に。
「せんちゃん?」
「どういうおつもりか?」
綺麗な断面を見せるデスクから少し下がった場所に(一瞬で退避した)いた社長は。
「いや、その、ぬいぐるみ、みたいなもので尻尾を売れば儲けが出そうじゃない?そのサンプルとしてだね。」
「だから。なぜご自身で試さないのです?」
氷よりも低い温度の声。
「自分で試すより、もっと多くのサンプルが欲しいから、に決まってるじゃない。基本よ?」
ぢゃりん。鞘に剣が収まる。が、安心はできない。抜刀から斬に至るまでの速度はハンパではない。
かの黒髪の「侍」といったか?あの娘ほどではないが、油断をすればやられる。
「まあ、いいでしょう。それでは、ご自身も是非ともそのサンプルとして身を呈してください。エリス。」
「あいにゃ!」
声と共に小さな子共達が10人ほど部屋に。
「な!」
「まさか魔剣を抜く、などはしませんよね?」
「社長~私もさっきからずっと・・・・・。」エリスは半泣きで・・・・
「では、私はこれにて。」部屋を出ようとしたが。
「ひっ!」尻尾を掴まれた。

そして、3人のミコッテ女性の尻尾を蹂躙しまくる子供達。
「く・・・な。なん・・・て・・・こと・・・・。」
「せねっち一人だけ逃げようなんて・・・・・あまい。」
「お前ラ・・・・。」


一月後には、かなりの好評の製品が仕上がるが、秘書たるミコッテはその製造、販売には一切手を出さない。「当然だ。」


----------コメント----------

社長室が阿鼻叫喚の空間にw

業務連絡
人物紹介を仮実装してみたけどどうかな?
http://aritiaindustrial.sakura.ne.jp/FF14syousetusettei/settei/zinbutu.html
こんなフォーマットだけどこれだとマユリさんが設定考えるの大変かな?
前回のは自己紹介形式だったから箇条書きにしにくくてこんなのになった。
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月21日 12:03

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傘下に孤児院あるから子供を集めるのは容易な環境でしたね^^;
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月21日 12:07

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部屋の様子

(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!
(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!
(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!
(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!
(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!(´∇`)モフモフ!
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月21日 12:14

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自らを犠牲に新商品開発を行う、これが企業努力か・・・。

開発のきっかけになったターシャちゃんには無料プレゼントだなw
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月21日 12:32

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>マルスCEO、まさしく企業努力w
でもまあ、セネリオにしてみれば事前に子共達を「あえて」エリスに用意させて、今回の新商品の事も「既に」知った上で。
ただ、最後のオチとしては、自分が逃げ切る段取りができていなかった、と。
逆上しすぎでしたねw
子供達はかなりの満足度だったかとw
おそらくレイは「あー、私に尻尾が無くてよかったぁ・・。」と、激務をこなした後の寝台で寝言を言っている事でしょうw
ターシャには是非ともカスタマイズ(誰のがいいかしら?w)なものをw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月21日 12:56

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>マユリさん
シャン仕様で良いんじゃないかなwさわり慣れてるだろうしw
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月21日 12:58

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>マルスCEO、なるほどw
あ、人物紹介ですが、ありがとうございます!
あたしはこういうのは苦手でwえへへw
もう完全にお任せしちゃいます!(`・ω・´)
そして、シャン仕様かぁw
突然呼ばれて、尻尾、イジられまくるんだろうなあw
ある意味、一番の被害者かもwシャンw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月21日 13:14

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「レオさんにマルス社長からメールが届いているクポ!」

ウルダハの露店で営業をしていた暁一家の元にモグレターが届く。

「ほう、あいつからメールか。どれどれ…」

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社長室で使っていたデスクが真っ二つになってしまったので
新しいデスクの製作をお願いしたいのだが頼めるだろうか。
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「ふぅん、自社でもできるだろうに外注してきたってことは
大会期間中に溜まった業務の処理に忙しいのかね…」
「おっと、もう一通あるな。」

<追伸>-------------------------------------------------
新しく出そうと思ってる商品の試作品ができたので、
感想などを聞かせて欲しい。
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もう一通と一緒にモフモフとした尻尾のオモチャが
同封されていた。

「ふむふむ、なるほどね…レイ~、ちょっとこっち来てくれる?」

「何?おね…にゃぁぁぁ!!!」

レイを呼びつけて早速モフモフ。手馴れた手つきで妹の尻尾を
握ったりさすったりする。

「ちょっ…いきなりにゃんて、くふっ。」

不意打ちを喰らって為す術も無くぺたんと座り込むレイ。
気持いのは良いのだが、どうにも嬌声をあげてしまうのが気恥ずかしい。
昔はいたずら程度だったのに、最近はどうも危ない…色々な意味で。

「うん、本物には敵わないが、悪くないな。しいて言うならば
やわらかさだけでなく、もう少ししなりを出すといいと思う…っと。」

レオは製作品の承諾のメモに感想を書き加えて返信をする。

「それにしても、デスクが真っ二つって…何があったんだかね。」

苦笑いをしながら、依頼されたデスクの製作の準備にかかる。
Akatuki Reo (Durandal) 2013年08月21日 14:59

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外伝の外伝で書いたネタを少し持ってきてみましたw

リアルの方で先日友達とネコカフェなるものに行ってきましたが
あの尻尾のモフモフは素晴らしいですね!
Akatuki Reo (Durandal) 2013年08月21日 15:01

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なごみますwww
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年08月21日 20:50

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>レオさん、すこしあだるてぃw
ネコカフェか~、いったコト無いけど親戚のトコでネコ飼っててね。
初顔合わせだったんだけど、めっちゃ警戒されてねえw
で、従姉の娘ちゃんに甘えてお腹をなでられてるのを横から代わってw
ネコちゃん、お腹をなでられてるのがあたしに代わったのを全然きがつかなくてwwwww
パっと目を開けたら実はあたしwwwという状況を認識できなかったらしく、そのままされるがままになでられてましたw
ちなみに、その子は尻尾に触られるのが超がつくほどキライらしく、さっとなでただけで臨戦態勢にはいりましたw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月22日 05:01

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>エフィたん、そんなコト言ってるとw
尻尾掴まれまくって一日中子供達の餌食にw
にゃんこ、尻尾触られるのキライな子が多いなあ。あたしの周りだと。
ミコッテもおそらく彼氏以外だとかなりイヤがるのではw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月22日 05:17

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自分に火の粉が降りかからないからこそ 和んでられるのにw
ぢつは3人が子供達にニギニギさわさわされてるトコを、窓の外から、コロセウム控え室の時の社長ばりに覗いていたりして。
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年08月22日 07:43

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まぁ、新商品開発現場は社長室の様だから、物語中のワタシは知る由も無しw
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年08月22日 07:46

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>エフィたんwそれがばれたらwww
状況的には、何かの商談のために訪れ、たまたま?聞こえた声に窓を覗いてみたら・・・
真っ二つなデスクに、ドア付近で倒れながら尻尾を、なエリスと、その対面で突っ伏したセネリオ。
壊れたデスクの、まさに窓側から近くのところで悶絶状態の社長と。かなりの光景がみられそうw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月22日 07:49

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マユリさんの元ページ

作品の保存し忘れのため、この話の連番が671.5になってしまってすみませんでした。(サイト管理人