657外伝。コロセウム 祝勝の夜会。

決勝が行われ、優勝チームが決まり。

その日、コロセウム最後の夜会が始まる・・・・・・



そのちょっと前。
「ショコラっ!お前、本当ニ殺すゾ!」
白磁のような肌、長いまっすぐな黒髪の人形みたいな美女は、目の前に差し出されたドレスを見て、髪を振り乱しながら否定する。
だが。
後ろからはしっかりと漆黒の肌のエレゼンの給仕娘が押さえ込んでいる。
女性とは思えないくらいの筋力に羽交い絞めにされて。
腰の下着すら脱がされ、目の前には紐に小さい布がついているモノが。
「や、やめロ!」
「絶対かわいいって~」
茶色いミコッテは碧眼を輝かせ。
バタバタともがく脚を給仕娘に押さえ込まれ・・・。もう何度目だろうか・・・

「うんうん、似合ってる!」満足げなミコッテ。

「アぅ・・・。」この時点で心が折れてしまったフネラーレは、抵抗と言う文字を忘れてしまい。
この後、素直にドレスに着せ替えられていく。



「母さん!、大丈夫?」
寝台に寝ている母に駆け寄るマユ。
「ん・・。なんとかね。ちょっと目眩がするくらい。」
「夜会までには時間がまだありますし。ゆっくり養生してください義母さん。」
「ありがとう、ウルラ。そうさせてもらうわ。」
「ばーば?だいじょうぶなの?」
「はは、ターシャ。大丈夫。あたしはこのくらいじゃ、ね。ただ、少しお昼寝するわ。ママに甘えておいで。」
「・・・うん。ばーば・・。げんきになってね。」
「ああ・・・。」
「さ、ターシャ、こっちにおいで。」
愛娘を抱きしめ、あやす。そんな妻を愛おしく見つめるウルラ。



「ん~、番狂わせがもしかしたら、って。」思惑とは少し違う。
だけど。
「魔女サンのトコが優勝で決まりか~。」(ある意味、本命と言える。)
ただ、その表情はなんということもない、と言いたげだが。
ぼうっと、上を見ながら。
「ま、私にはもう関係ないケド。」
カバンに入れてある銃のカバーを見ながら。黒猫の台詞が思い出される。

「銃の宣伝がしたい。君も銃の扱いが出来るはずだよね?どうかな?デモンストレーションと。君の名前も売れるチャンスなんだが?」

商人としてこれはとても魅力的なお誘いだ。そして、その目的はほぼ達成され。
「次」の仕事を考えなくては。
さて・・「一足先に帰るとしますか・・・・商売は世の一歩先を目指さなくちゃならないからね。」
バタン。カバンを持ち、夜会に出る事無く、今だ優勝の余韻が残る会場を後に。



「ふう。」漆黒の青年。
長い耳と短い尾。
金色の瞳を持つミコッテの青年は、頭を振りつつ。
正直、最後のあの衝撃には、今でもそのインパクトがある。
テーブルには香茶、そしてカップを手にしながら。

「クォ様?」
ヒューランの壮年の執事が気遣わしげに。
「大丈夫だ。さすがに頭に矢を受ける、なんていうことはそうそう無いだろうが、それを受けたダメージを覚えている、というのも中々無い経験だね。」
「おいたわしい。」
「まあ、俺が死ぬ時はこういう事だろう。いい経験だ。」
「そんな事をっ!」
「事実だ。気にするな。だが、そうならない策を探す。」
「はい。」
「あの、葬儀屋か。あいつをグリダニアからこっちに引き込めないか?」
「おそらく・・・それは無理でしょう。彼女はフィルフル船長の私物です。」
「買い上げれば?」
「それも、おそらくは。彼女はアスタリシア号のクルーとして、「乗船を許可された」メンバーとして活動しているはずです。
ただ、今は神勇隊のイレギュラーですが。それも乗船許可を剥奪、という、仮の処置だけで。本籍はアスタリシア号ですからね。」
「そうか。あの器量ならいい値段で買い上げよう。」
「それも・・・副長の恋人として非公式・・・とは言い切れませんが。逆にそういう事で無理ではないかと。」
「ふん、噂通りか。あの斧使いも女を見る眼があるな。」



「お父さん!」
赤い髪を振りながら、少女が黒髪の術士に抱きつく。
突然の事に。
ドアがノックも無しに開いたとたん、寝台から起き上がったところのアルフレートに少女が飛びついたのだ。
「ミー、痛いよ。」
「だってえ!」普段とは違う、いや、冒険者になる前の、そんな甘えた声で。
「おい、ミー。」娘の頭をなでてやる。
「ミー、何いきなりガキんなってん?」黒髪の相棒。
「だって!だってえ!」涙を見せながら。
「はん、よういわんわ。」こめかみを抑える相棒。
「エレディタ君か。ミーランの相棒として、よくやってくれているといつも聞いている。ありがとう。これからもよろしく頼むよ。」
「・・・あいよ。」
こめかみから手を少し眼の方に動かし、押さえながら、照れた顔が見られないように。



夜会はもう少し先だ・・・・
「ミー!夜会がはじまるぞ!ドレスとメイクがいるだろっ!いつまでも抱き合ってる場合じゃないぞ!」
「エリっ!わかって・・・わかってるっ!」
泣きはらした顔で応える。
(大丈夫かいな・・・)エレディタは少し、いいなあ、と。



「師匠!スーツは大丈夫?」
ララフェルの弟子に言われ。
「任せておけ。」と
「それ、昨日と一昨日のと同じですよね?」
「大丈夫。同じものを3着持ってきた。」
「キモイっす。」
「何!?」
「なんでもないですよ?」
「うむ。」


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むむっ、今回の[一文字]は難解だっ!
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年08月05日 02:11

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>えふぃたん、がんがれw
次回はもっと難解にしてみようw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月05日 03:45

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>エフィ
ブラウザの拡大機能使うと難易度さがるよ^^

A. 1行目右から7
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月05日 07:18

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サラッとネタ拾いありがとうございます。

β4もあと一週間くらい(予想)ですし
いよいよ、って感じですね。

この書き物に出てくる皆さんやマユリさんに
新生でお会いできる事を楽しみにしてます。
Akatuki Reo (Durandal) 2013年08月05日 10:21

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新生からのネタとしては

・ウルラ空白の1年間
・エリスとエフィの出会い
・エオルゼアにおける銃の設定を知るためのクォがメインのお話

このあたりが見たいかなぁw
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月05日 11:08

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>「キモイっす。」
  「何!?」
  「なんでもないですよ?」
  「うむ。」

うむ。
Fizz Delight (Hyperion) 2013年08月05日 21:55

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>亡霊氏
うむってw
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月05日 22:03

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>レオさん。新生たのしみですね!
ネタ拾いも楽しいですw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月07日 15:15

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>マルスCEO、なるほど♪
そんなかのネタでいえば、なにかしらね?w
エリス,エフィちゃんネタかなあ?
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月07日 15:27

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>フィズさん、「っモイッスwww」

うむ。

さすがです。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月07日 15:40

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('A`)・・・
Rapu Taro (Hyperion) 2013年08月09日 04:57

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>らぷたん、切ない表情・・・・・(´゜д゜`)
最近、更新が控えめだったのは、旅行に行ってたからなのですw
シンガポールに。
ケケケ。
そして、着いて翌朝、食事に行ったら、お茶飲んだ瞬間ぶっ倒れて、意識が戻ったら病院で寝てました。日程の4日間ずっと病院・・・・・で、
なんとか帰ってきました。観光0ですたよ(´゜д゜`)
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月10日 12:49

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