654外伝。コロセウム 決勝・・・・・の幕間2

闘技場コロセウム。
その控え室の一つ。

黒髪のミコッテの女性は。
斬撃を受けた肩や腰、そして。
矢の一撃を受けた胸を押さえ。
「うぅ~・・」
とうめく。

魔女の長爪の攻撃は十を数え、さらにトドメの矢。
「いてて・・・。」
いかに防御結界術式とはいえ、痛みは伴う。
もちろん、本当にその痛みがあれば死に繋がるだろう。
いくらかは痛みも減らしているハズなのだが、これだけ食らえばさすがに痛い。

まずは。
戦場を振り返り、あの黒猫を落としに魔女が駆け出した、と勘違いしたのがそもそものミス、と自己採点を。
最初っから自分を落としに来ていたのだ。
セネリオが読んだ、あの夜会での魔女への侮辱でてっきりそっちに行くと誤解させられた。
あの発火者と一緒に走り出したものだから、てっきり・・・。

はぁ。ため息が出る。さすがの魔女、か。あの夜会でのやり取りですら欺瞞だったというのか。
まったく、とんでもない女だ。
「負けたか~・・・。」
つい独り言。
「魔女とはもう戦いたくないな・・・。」
ふう。

そこに。ドサッ。

寝台に「左腕」たるグレイの髪のミコッテ。
「エリスっ!」
横の寝台には突然現れた部下。
「エリス・・・お前も速攻落とされたか。」
残るは黒猫。
「あいつなんか応援したくはないが。」
あいつに頑張ってもらわないと。

優勝が、ね。

そこに。
ノックも無しに一人のミコッテの女性が入ってくる。
「あ!社長!大丈夫ですか!?」
「ああ。」
「よかったです。」右腕たる彼女、セネリオ。その後ろにはもう一人。
「優勝はどうなんだろうね?ワタシ的には魔女さんとか、かな?」
「それはわからんが。」社長の声は渋い。
「出資してるんですよね?社長さんって。」素朴な疑問。
鍛冶師の娘に応える。
「まあな。だが、スポンサーにはなっていないぞ。」
「え、もしかして勝って出費の回収とか狙ってたとか思ってました!」
わき腹を肘打ちされ、(不敬だろ)とセネリオが突っ込みを。

「言いたい放題だな。まあ、優勝したところで名前が残ることは無い。せいぜいカネと、記念品くらいだろ。
この大会の主旨は、傭兵としての腕前と新武器のお披露目だからな。黒猫らしいなんとも立派なお題目、というところか。」
「えええええええ!?」そうなんですか?と、鍛冶師のミコッテは。
「ああ、銃のお披露目。それに尽きる、と言っても過言じゃないだろ。もちろん、人材としても使える人材の売り込みもあるだろうね。」
ドライに。
「そうでしたか。」右腕が。
「セネリオ、ここら辺は高度な政治的、というかな。お前の戦略や戦術とは少し違う。判らなくていいよ。むしろ、知って欲しくない。」
「そうですか・・・。お役に立てなくて済みません。」
「いや、いい。それよりもエリスの面倒を見てやってくれ。」
寝台に。
「あ!エリス~~~~~!!!」鍛冶師のミコッテが走り寄る。
完全にノックアウトされ、意識が無いのか寝てるようなミコッテに。
尻尾をぎゅっと。
ビクン!
「ふぎゃああ!!」絶叫が。
「あ、起きた。」と親友。
「な、な、な!」
声もない。
「大丈夫だよ。」と親友の鍛冶師が抱きしめる。
「え・・・うん。ありがとう、エフィ。」





観覧席にて。
「ねえ、まなん。」「なに?」「このカボチャ、そろそろ壊れてきたけど?」「いいんじゃない?」「ワシ・・・・・」
「とりあえず席から転がして落とせば?」「拾いに行くの手間~」「勝手にもどってくるわよ~。」「それもそっか。」「えい。」



「しかし・・・さすがだな。」茶色の髪の青年。
横にはふわふわした金髪の妻。
「そうね・・マユちゃんのお母さんって、ふたつ名がスゴイけれど。」
「ああ、最近は人災(ハザード)だったか。天魔の魔女(ウィッチケイオス)に、迷惑来訪者(ナイトノッカー)とか。俺もふたつ名が欲しいね。」にやり。
「ファーネはそんなの気にしなくていいのよ。」唇を尖らせる。
「マリーこそ、何かいいんじゃない?」夫の声に。
「う~ん、わたしは・・。って、何ノセようとしてるのよっ!」
「はは、そういう表情がいいな、って。」
からかわれたのが判る。
もう!
マリーは夫のわき腹に本気のコブシを一撃加え、横を向く。
「いててて、本気だったろ、今の・・・」夫の声にも黙っている。
ファーネはそんな妻の肩を抱き寄せ、試合の観覧を。
「さて、どうなるのかな?」



「なあ、お姉ちゃん。」
「なんや?」
ハイランダー姉妹。
「うちら、この後どうしたらええんや?」
「そら、お前。今夜も夜会があるやろ。そこでウマイメシ食って、後は帰るだけや。」
「結局、たいした儲けにならへんかったな。」
「ユーリ、ウマイメシだけでも儲けモン、って事にしとけや。寝台も家とちごて、ふかふかやしな。」
「そやな~。あの寝台くれへんかな~。」
「ムリやろ。」


----------コメント----------

「え・・・うん。ありがとう、エフィ。」
(もう少しやさしく起こしてくれたほうが嬉しかった、身体痛い。)
Elice Lowell (Durandal) 2013年08月02日 17:28

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「あ、そうだ。エフィ、エリスから聞いたが、結界用のクリスタルが欲しいみたいだな。
今日の夜会までに用意しておこう。」
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月02日 17:30

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よしよし。いい子いい子。お疲れさま、エリス~。
──多分ね?「大丈夫だよ」はワタシ自分落ち着ける為でもあるかも。身近な人失うのはモウイイ。早く目覚めて欲しかったから、尻尾ムギュはまぁ~ったく悪気無しっ! ニシシw
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年08月02日 20:11

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えっ!(喜び) じゃあシャストア様…んじゃなかった、メネフィア様のをお願いします!
あ、でも貴重な物の様ですし、作者様…んじゃなかった、マユさ…んは別人だわ、主催者の方に許可を取るというか、そんな進行で問題ないかご判断戴かないと。
あわわ、誰に何を言ってるんだろうワタシ。
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年08月02日 20:43

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>エフィ
×メネフィア
○メネフィナ
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月02日 21:05

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> マルスさん 冷静に訂正、ありがとうございます。感謝です
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年08月02日 21:34

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>エリス嬢wあっさり落としちゃってごめんw

けっこうネタキャラにしちゃったね。
ちゃんと出番もまだまだあるからw>新生でねw
でも、メンバーの恋愛とかはどうしたものかw
(†14メンバーはほとんどパートナーができちゃったケドw)
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月03日 06:56

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>えふぃたん、エリス嬢との仲良しエピソードもまだw

出会い編なんかもいいかもしれないなあw
ちょっとネタ振りよろしくw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月03日 07:00

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>マルスCEO、あなたが申請すればすぐ出そう。

ただ、どの神のクリスタルかは、参加者以外だと選べないかも。
余分があるとしても、参加者分のスペアストックしかなさそうだし。
本格的に開催されれば、かなりのストックはありそうですけどね。
申告したクリスタルはともかく、余分、となるとね~
と、いうわけで、メネフィナ様のクリスタルがあるかどうかは・・。
多分、無いw
ノフィカ様とか、リムレーン様のはありそうだけどw参加者的にw
まあ、戦闘参加するわけじゃないから、いいかなあ?とw効果的には同じだからw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月03日 07:07

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