629外伝。コロセウム 夜会。

さぱ~ん。

   さぱ~ん。

さぱ~ん。


「暁」の家であるところの中級の帆船「エーアガイツ号」
そこに3人姉妹(弟)で暮らすミコッテの女性。
コロセウムでの試合を観に行ったのだが(招待が無いとまず入れない、が、ミコッテの社長と懇意な彼女はもちろん招待客だ。)

しかしながら、少し退屈してしまい、早々に退散し、「家」であるところのこの船に戻り、妹をからかった後、寝室に向かい、そのままうたた寝してしまったのだが。

「ぎゃあっ!!」といきなり声を上げて、寝台から跳ね起きる。
「あ、あ・・。」窓から月の位置を確認。

今夜、というか、開催日は全て「夜会(パーティ)」があるのだ。
なんてこと!
あらためて自身の体見る。

下着だけで。

「なんてこと!」まだ時間まではある、ないしは間に合う。
慌てて持ってきたドレスを取り出しに・・・・・・




「セネリオ、エリス。どうしよう?」
社長の声は少し気弱だ。
「どうしましたか?」秘書は冷静な声。
「ん?しゃちょ~?」その妹は少し暢気だが。

壇上では、開催者のナルディク&ヴィメリー社の二人、ミミドアとハ・ナンザがスピーチをしている。
この後に「黒猫」ことクォ・シュバルツが行い、最後のトリを自分が勤めることになっている。
スピーチの内容は簡潔ながら、それなりに長い。
皆は聞きいっているように見せてはいるが、恐らく誰一人として内容を覚えていないだろう。
その間にも緊張は高まる。
マルス社長はスピーチの内容を秘書のセネリオに任せていたのだが、開始時の・・・・
スピーチの文面が。
「勝手にやってください。」の一言だけだった。
このメモを見た瞬間、頭の中が真っ白だった。
なんせ、その前に黒猫が行ったスピーチはたいしたもので、トリを飾る立派なスピーチをアドリブでこなせ、と。
緊張と不安でなんとも尻尾の動きが落ち着かない社長。
なんせ、またメモの文面には「本日お越しの皆様。今日のイベントはいかがでしたでしょうか?
ふつつかながら、決勝という晴れ舞台に立たせて頂く事になりましたマルス・ローウェルです。
皆様のご期待にお応えすべく、邁進、そして魅せる試合に挑みたいと考えております。つきましては・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その文面は明らかに自分の記憶容量を超えている。
おそらく、10分以上は一人で延々と話し続け、開始を待ちわびる皆を退屈させること請け合いだ。(決勝出れなかったからイヤガラセ?)と勘ぐりたくなる。

白いイブニングドレスを綺麗に着こなした秘書はしれっとした表情で「なにか不備でも?」と。文面的にはモンクの出ようがないが、長すぎる。

クォ・シュバルツのスピーチは丁度いい長さの時間、30秒ほどか。終わった。

夜会の開始はもうすぐだ。
「もう!」
マルス社長はまたしてもアドリブでスピーチを・・・・。

幸いにして、好評を得たが。
「死ヌカとおもった・・・」綺麗なグリーンのドレスから出る尻尾は完全に萎えている。

「上出来じゃないですか。社長。」秘書の一言。
「うん、よかったよ~。」とは、姉とは逆に黒いドレスの。
「どんだけイヤガラセだよ・・・・。」もうこういうのはゴメンだ。社長はウンザリと。

始まった夜会では、皆が楽しんでいる。
もちろん、社交的な挨拶や思惑も。


「やあ。マルス社長。先ほどは突然の退出。何か不備があったようで申し訳ない。秘書がお相手してくれましたが、少し足りなかったようで。」
黒いスーツをそつ無く着こなした黒いミコッテの青年。

「いえ、こちらこそ無礼を。それでは夜会を楽しみますので、これにて。」
舌打ちを隠しながら、胸くその悪い相手から早々に退散する社長。

「おや、フラれてしまったね。」と相手は涼しい顔。


「ししょ~、あの方ふりーです~。」ララフェルの少女はドレス、というよりも。
フリフリのフリルのついたかわいい衣装で、この場でもパリっとしたスーツが似合わないエレゼンの男性に。
「む。てぃんく。もしかして?」
「はい!エリスさんですね~。」
黒いドレスの女性に向く。
「行かねば。」足早にその場を。
「危なかったです~。ここのお料理美味しいから。このお皿はキープしないとです~。」
お皿から、というか、大皿丸ごとキープする。サラダに鶏肉の蒸したものが。セサミ(胡麻)ドレッシングが絶品だ。


「あ、間に合った!」銀髪と桃色の髪が入り混じったミコッテの女性が。
「あ。レオさん。少しドレスがはだけてますよ。化粧室に行きましょう。」親友の秘書が。
「あちゃっ!しくじった!」
「大声は厳禁ですよ。」
セネリオは、社長と黒猫のやり取りを見せないために・・・


「あのね、レティ?」栗色の髪の隊長。
「どーした、スゥ。食うモン食わないと損だぞ?」魔女は皿に料理を乗せていく。
「アレはヒドイと思うの・・・。」情けない声のスウェシーナ。
「おばちゃんがなさけないのね?」小さな少女。
「そうよね~ターシャ。」孫を見る目は・・・
「う、ターシャちゃんにまで言われたら、わたしどうすれば・・・。」半泣き。
「基本的?な部分で甘いのよ、あなたは。」と、しれっと魔女が欠点をつく。
「なっ!」反論するスゥに。
「大声出すな、こういう場所は初めてか?」レティは冷静だ。
「ぐ・・・。」
「おばちゃんおおごえきんし。」幼い声。
「くぅ・・・・。」幼女にまで突っ込まれ、この血統とは生涯ライバルだと感じる。
「すぐに感情に任せて動くだろ?だからたった一言で術中に落ちる。大軍を指揮できる素質があるのに、それではダメだぞ?」魔女からの助言。
「う、それは・・・」心当たりがありまくる。確かに軍を指揮してる時はそういう事は無いのだが。個人で、となるとどうしても・・・
「レティはわたしにやさしくない・・・」
「やさしくされたいのか?生憎、あたしはそんな趣味は無いな。」
「なっ!ちがっ!」
「ほらな?すぐ引っかかるだろ?」
完全に魔女の術中に落ちたのが解かる。
がっくりと首を垂れ・・・・
「おばちゃんおいしいものたべようね」
アナスタシアからの言葉で少し救われたスウェシーナ隊長。



「ねえ、お姉ちゃん?」ハイランダーの姉妹はドレスなど持ち合わせはなく。
仕方なく、防護装備で見栄えのいいもので。
「なんや?」小柄、とはいえ。並みの女性よりは背が高い。
「ウチら、その・・・・場に合ってないんとちゃう?」
「アホか、お前。ウマイもの食えるんや。そんなん気にすんな。イヤなら帰れ。」
「そ、それは・・ウチかて食べるっ!」
「大声出すな、アホ!田舎者丸出しやろっ!」
「お姉ちゃんの方がうるさいし・・・。」


「ミー、こっちの料理おいしいで。」
「ほー。お母さんがまさか来てたり、とか?」
黒髪の少女とオレンジ色の髪の少女が。
「そらわからんけどな。あとな。」と、視線を移す。
「ん?」
「目を移すなや。向うにいる背の高い、姉妹?かな?あれ、うちらのエキシビジョンの相手やで。」
「え?」
「だから、見るなっつーの。」
「あ、ごめん。」
ドレスほどではないが、小奇麗な衣装の二人。



「う・・・・・なンで僕が・・・。」
漆黒の髪を流れさせ。
「決勝進出、おめでとうございます!」X・・・・・・
戦場では、基本的に黒いチュニックに胸当て程度の装備だが。
どピンクで、ものすごいフリルがついていて、髪飾りまで・・・。
しかも、胸を強調するようなデザインカットで。
小振りな胸だが、かなり盛ってある。
ヘタに走ったりすればとんでもないことになりそうなので、逃げ出すこともできない。
夜会に参加している男性方からのあまりの人気ぶりに、少し、いや、かなりドン引きなのだけど。
フネラーレは、流れる黒髪に白磁の肌を十分に活かすためのドレスを同席しているミコッテの女性から作られ、着飾るハメに。
遠目に、いや、近くで見ても人形みたいな美貌で人気抜群である。
金色の左眼も見えないように髪飾りでアレンジされていて、ミステリアスな女性、ということだろうか。
(ショコラ、殺ス・・・・。)
社交的な愛想が全くできない彼女は、この苦痛の時間を・・・・




「フネラーレ、ないすっ。」小声で。親指を立てる茶色いミコッテの女性。彼女自身は控えめな衣装。


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セネリオの戦闘装備撮ってきたw
もともとガントレットとサバトンだったから小説にあいそうな手装備作ってw
http://lodestone.finalfantasyxiv.com/rc/forum/thread?gcid=2231017&threadId=1834003
画像23 24

24のSSはおまけの呆然エモートw
Marth Lowell (Durandal) 2013年07月07日 11:32

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>マルスCEO、拝見しましたw
呆然、ですねw
魔女の襲撃にはまさにコレでしたでしょうw
装備はなるほど~ですw
それと、昨夜エフィさんをみつけまして、ショコラに扮して会話を楽しんできましたよw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年07月07日 11:47

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ぱーれぇーないっ!

普段見れないみんなのドレス!!ふんはー!
Fizz Delight (Hyperion) 2013年07月09日 17:34

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>フィズさん、はっちゃけてますねw

黒のイヴニングドレスは目立ちますからねw
でもお触りは禁止ですよ?w
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年07月10日 01:03

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棒棒鶏 大好きデスヾ(≧▽≦*)ノ
…てゆーか 食いしん坊サンだと バレてるのは何故かちら?σ(^_^;)

お久しぶりんこなのデス( ´ ▽ ` )ノ
Tink Brownie (Excalibur) 2013年12月13日 22:32

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>てぃんくたん、おひさしぶりw
棒棒鶏、おいしいよねw
食いしん坊バンザイなのは、なんとなくwww
旧はそろそろ終了しちゃうので、新生ロドストでもよろしくねw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年12月14日 00:53

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