616外伝。コロセウム カードその2 のちょっと前。

控え室の一つ。

コロセウムには出場プレイヤー用にいくつもの控え室が用意されており、ちょっとした宿泊施設よりは上等な作り。

「はぁはぁ・・・。」二人のミコッテの女性が荒い息を。
黒髪の女性は、自分を後ろから引きずり倒し、ここまで半分、いや、正味引きずってきたグレーの髪の女性に罵声を浴びせる。
「エリスっ!あんたねぇっ!自分が誰に何をしたか、分ってるっ?ちょっとやそっとの罰則じゃあ許さ・・ッ」

バシっ!

「社長、ご無礼を承知です。」平手を社長に。

「っ!!!」はたかれた頬に手を。
激昂のあまり、声が出ない。
そこで。
「処罰はいかようにでも。私は姉の加勢に行ってきます。決してこの部屋からは出ないように。」

ナックルを腰にはめ直し、決意も新たな表情で。

バタン。ドアが閉まる。

「なによ・・・あいつら・・・。真剣な顔しちゃってさ・・エリスのくせに・・。」社長は腰の鞘に今まで握り締めていた紅蓮の剣を納める。

頬に触れる。
熱い。


(お姉ちゃん・・・。だいじょうーぶかぁ?)
とにかく来た道を戻る。そして。

キンっ!がつッ!

響く剣撃の音。
(よかった!まだ間に合うっ!)
ナックルを取り出す。グランツファウスト。特殊な加工を施したこのナックルは彼女の宝だ。

走ったその先に、二人の姿が見える。
純白の剣を振り、青黒い剣を退け続けている姉。
だが、押し込まれているのが分る。
(危ない!)本能が告げる。

次の一撃は、恐らく致命傷になる!

エリスには本能とでも言うべき危険を察する能力がある。自覚はしている、というか、体験的に。ここは。(危険!)

早く!間に合え!私の腕!!!

「エリス惨状!(あ?)いや、参上にゃっ!」
予測したわけじゃないが、致命傷になりそうな剣筋のところに拳を割り込ませる。結果、腕を一本もって行かれてもいい。そのつもりで。

ガリッ!この感触と共に、グランツファウストが青黒い魔剣を弾いた。
(よし!)
「このばか!早く来い!」
姉の叱責。

だがその声は、少し滲んでいた。
(間に合ったよ、お姉ちゃん。)眼で返す。
「え・・このタイミング、悪かった?」

「最高よっ!」軽くこつかれる。

笑う二人。

「2対1はちょっと難しいな・・・・・・」去り行く黒猫。


「え?」
支えた腕の中、姉はくず折れるように。腰を床につける。

「ちょっと!?お姉ちゃん?」肩を抱く。
「ああ、大丈夫だ。」声は弱い。
肩をゆすり、気付けをしながら。
「戻ろう。社長も待ってるし。それに、せねっち、次の試合大丈夫?」
「任せろ。試合には不滅の刃(デュランダル)で出る。落とされるものか。」
「うん。」
まだ少し立てない姉を抱きしめつつ。





部屋に戻り。開口一番。セネリオは。
「社長!一言申し上げたいっ!!!」

ビクン!
この場に居る3人のミコッテのうち、二人の尻尾が逆毛と共に真っ直ぐ立つ。
寝台に座っていた社長の元に、秘書兼第一倉庫管理責任者であるところの、セネリオ・ローウェルが。
その「家名」を受けた責任者としても。
生来の「ティーグレ」ではなく。

「よろしいか?」と黒髪のミコッテの社長に詰め寄り。

「・・・はい・・・。」社長ですら、少し責任を感じたのか、及び腰な。
「何故、無断であのような愚行に走ったのですか?」
「あ、それは。その・・・。」視線が泳ぐ。
「何故、ですか?」容赦は無い。
「いや!その!アレだ!私はあいつがキライだし!」視線は横を向いたまま。
「何故、ですか?」同じ問い。
「その・・。やり口、とか?」声に力が無い。
「社長?あなたは子供ですか?」冷然とした、氷にも似た口調。
「せんちゃん!でもっ!」反論も・・・・
「いいですか?そのような考えでは、この先を見据える事は叶いません。
まずは、命があった事を喜んでください。負けなかったとしても、相手に傷を負わせればそれなりに社会的な致命傷を受ける事すらありえます。
もう少し、トップとして些細な事は我らに任せ、腰をしっかりと落ち着かせください。」眼を閉じる秘書。
「うん・・・。」

ゆっくりと抱擁を。


離し・・・・。

眼の端に光るものを拭いながら。
「それでは、私は次の試合に赴きますので。決勝でお会いしましょう。」
腰の鞘を外し、社長に捧げる。「セイブ・ザ・クイーン」
「うん。待ってる。」

そして、妹が持ってきた鞘を手に。「デュランダル」
「エリス、決勝ではお前にも手加減ができないぞ?」
「望む所です、せねっち。」グランツファウストをガチン、と腰で鳴らす。

「では。」
不滅の刃を佩いた騎士は部屋を出て行く。


----------コメント----------

やるなら代わりに俺をやれ~!!(ビンタ要求
Fizz Delight (Hyperion) 2013年06月26日 10:48

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( 'д'⊂彡☆))Д´) パーン
Eraru Control (Hyperion) 2013年06月26日 12:37

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>フィズさんwwwパーンw
ビンタ好きなんですかwww
いっそ、グランツファウストで殴ってもらえw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月26日 14:12

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>えらっち、ビンタないすwww
でも、「しっぽ」成分と「ミミ」成分がないとただのビンタなりw
フィズさんの求めているのは(ry
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月26日 14:17

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>フィズさん
それ言おうと思ったのにーw
フィズさんなら平手打ち喜びそうってw

本人に先こされちゃったw
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月26日 16:52

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>エラルさん
ララフェルじゃ意味無いにゃ
ミコッテ♀がするのがベストにゃ

○(#゚Д゚)=(  #)≡○)Д`)・∴'.
もはやパンチにゃ・・・。
Elice Lowell (Durandal) 2013年06月26日 16:57

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ララフェルのちっこい手形をレフトサイド
エリス嬢の肉球形をライトサイド

こんなに・・・嬉しいことはない・・・(昇天
Fizz Delight (Hyperion) 2013年06月26日 18:11

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亡霊氏が逝ったw
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月26日 18:13

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最近はまゆりさんの日記が二度美味しいです。
本編と、コメントと。
読者参加型エンターテインメントストーリー!
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年06月26日 19:48

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>エフィさん
読者キャラネタだとコメント欄も楽しめますよねw
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月26日 19:51

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>マルスCEO、惜しかったw
フィズさんのツボがどこなのか、なんとなくw
尻尾無くてもいいんだwwwww
困った話よねwww
浮気症確定w
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月27日 00:25

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>エリス嬢wとにかく殴るwコレが勝利にw
どうしよう?オチが見つからないwww
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月27日 00:27

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>エフィたん、てんきゅー1 あ、!
そこまで持ち上げられてもw
いや、超ウレシイですけどーw
小話?みたいに、メインストーリーの裏も作れるようにやってますw
ネタ振り超OKですよw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月27日 00:42

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>マユリさん
この話も多分、前回自分がコメントした事を元に書いてるのかな?w
社長はセネリオに怒られただろうってw
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月27日 14:12

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>マルスCEO、そうなんですw
ネタ投下、感謝www
でもま、そうだろうなあってw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月27日 14:40

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弟子のクセに すっかり乗り遅れた感満載www
しょーがないカラ ボディブローで トドメ刺すカナ( ̄▽ ̄)b←手当するという 発想はナイのか?
Tink Brownie (Excalibur) 2013年07月03日 06:59

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>てぃんくたん、大丈夫w
弟子としては、回復よりもさらなる打撃は正解?w
アゴにアッパー・・・いや、コンカシブ2みたいに上から殴り倒すのが正道かもw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年07月03日 08:14

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