601外伝。コロセウム 前夜。

「レティ?」
栗色の髪の女性。年の頃は疑問を問うた女性と似たところ。
しかしながら、歳は上のはずなのだが相手の方が若く見えるのはいかにも卑怯な気がする。

この割り当てられた部屋には、都合4人の女性が。

「なによ、スゥ。改まって。」
グレイの長い髪を後ろに括る彼女だが、湯浴みの後のせいか布で髪を覆っている。
厚手の布で覆われた体も少し火照っているのか、上気した肌は普段よりも赤みを帯びていて。

「でも、レティさんて義母さんよりも若く見えるのは確かに反則かもにゃ。」
オレンジ色の髪のミコッテの女性も、同じく湯浴みの後で厚手の布を巻いただけだが、
尻尾の部分の水分は、ブンブンと振り回し少しの顰蹙と注意を。

同じく布を身につけた栗色の髪の女性、スウェシーナは。
「なんで、こっちの部屋?」と。


コロセウム(闘技場)に招待され、プレオープンだかの試合に出場するわけだが。
初日は、歓待とセレモニーだけで終わってしまい。
対戦カードなるものがその間に組まれている、らしい。
となれば、施設の有用性をコメントしてくれ、と言われれば、やはり浴場に目を向けるのは女性達としては、ある意味当然とも言えるわけで。
そうそうたるメンバーが大浴場を試用した後、各自の部屋に。
そこで、もしかすればライバルになるかもしれない腐れ縁の旧友が部屋にいるという。
この、矛盾というか、なんというか。
ついでに言えば。
「ばあば。おこってる?」と。薄めのグレイの髪の少女、というか、幼女。
「大丈夫よ、ターシャ。浴場ではいい子にしてたわね。いいこいいこ。」と孫をあやす。
孫に対する表情は、歳相応かもしれない。

「だって、夫婦そろって一部屋のトコロにお邪魔するには、ね?」と魔女が微笑み。
「もう。」スウェシーナとしては、うらやましい反面、嫁に来てくれたミコッテの女性にはすまなさげ、ではある。
種族間の違いで子宝に恵まれる事は稀有だから、だ。
その事を苦にしていないか、心配ではある。

対するミコッテの女性、シャンはターシャ、ことアスタリシアの事が気になって仕方ないようで、
小さな手のひらをつついたり、柔らかい頬を触ってはその反応に笑みを。

「ま、本題。でいいのかしら?シャン、ちょっと悪いけど、ターシャの相手をお願いね。」
「はい!レティさん!願っても無いお言葉ですにゃ!」
二人は寝台で色々とじゃれあっている。


「で?」鬼哭隊隊長としての表情。
「正直、スカっとしないわね。」応える魔女。
「どういう意味?」
「文字通り、よ。」
「あなたが言うのなら・・。でもそれって?」
「危険は無い、と思う。もしそうだとしたら、ターシャやマユは連れて来ないわ。」
「そうね。マユちゃん、お腹に?」
「ええ。二人目は男の子がいいって言ってるけど。こればっかりは・・。って、話が違う方行ってる。スカッとしない理由は・・。」
「黒猫氏、ね?」
「そうなるわね。彼とは浅からぬ縁もあるけど。打算と悪知恵のカタマリだからね。
今回も、例の社長と競うくらいには、なにかしらのメリットがあるとしか。
金銭だけなら、正直な話、こんな博打めいた事業に手を出さなくてもいいはずだけど。」
「で?どう見るわけ?魔女としては。」
「まだ読めない、かな。正直、メリットとしては名だたるメンバーの戦力比?もしくは。(手駒探し、か。)有益な情報待ち、ね。」
「ふうん。でもまあ参戦する以上は、相手にすれば手加減無し、よね?」
「うん。アルから聞いた話だと、防御術式結界はかなりの打撃を受け流してくれるみたい。
調整前でそのレベルだから、本大会前の今だとちゃんとしたのになってるハズよ。(あ!そうか!しまった!!)」顔色が変わるのを自覚し・・。
「どうかした?」親友が心配げに。
マズイ。コレは。
「やられたかもしれない。」
「へ?」
「まだ、まだよ。想像かもしれない。そして、そうであって欲しい。」
青ざめた表情、そして・・
「なに?どうしたの?レティ?」寝台では、きゃっきゃっ、と二人の声が。
「防御結界が耐え切れなかった、として、不都合な相手を暗殺できるメリットがあった・・。」
「え?」
「事故として、そうした可能性は・・・ある。」
「そこまで?」
「名だたるメンバー揃いだから、ね。無いとは言い切れない。あとはタイミングよく結界を外せば、事故は起こる。」
「っそんな!」
「まだ可能性、よ。ただの娯楽かもしれないし。でも、リストにはあたしの名前は確実だろうから、油断はしないつもり。」
「レティ・・・。」
「心配しないで。大丈夫よ。天魔の魔女サマ、ナメんな。」寝台の二人に突撃を。

「レティ・・・。」




(ツブしにかかるなら、あたしとアルは別枠でツブしにかかるか・・。)


翌日、対戦カードが発表される。


----------コメント----------

('A`)「暗殺とか全然明るくない」

ピッケル白AF社長に吹き出しつける許可もらったので置いておきますねw
http://lodestone.finalfantasyxiv.com/rc/forum/thread?gcid=2231017&threadId=1834003
画像15

多分こんな感じで来ると思うw
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月03日 17:59

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>マルスCEO、まだそうと決まったわけじゃw

むしろ、この「噴出し(あえて!)」の方が、アンダーグラウンドなのじゃあ・・(・ω・)
設定するとかあなり、暗部にいきそう・・・

まあ、コロセウムだと(それほど)ダークじゃない、はず・・・。たぶん。きっと。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月03日 23:03

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>マユリさん
ふむー、暗い描画になっちゃいますよねー。
風見鶏のお墓作る話の方がソフトかも。
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月03日 23:13

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不意に。コロセウムの地下を掘り進んでるマルスさんの姿を思い浮かべました・・。落とし穴??
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年06月04日 02:09

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>マルスCEO、そっちのお話は。
いずれ入れたい、とおもいます。
タイミングが必要かもしれませんが。
プロット的にはできてるんですけどね・・・
風見鶏の面々や、二人の墓標にまつわるエピソードもいいのですけど。
どうしても感傷的なシーンがでちゃうので・・・
(´д`)明るくない、とご指摘がありそうなヨカーン・・

うーん、明るい話題は入れてるのに・・・(カナルが結婚してたり、マユに二人目の子供ができてたり・・・亡霊氏に押しかけ弟子が来たりw)

やはり、陰謀が大好きなトコロが出てきているのかしら・・(´_ゝ`)
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月04日 03:35

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>エフィたん。社長は・・・やりかねないw>落とし穴w
多分、だけど・・・・w

あと、エフィたん、エリス嬢の二人で大浴場を超満喫して(泳いだり、冷水かけたり、etc・・・ セネリオ女史から盛大なお叱りが?www)
かなり楽しそうwww
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月04日 03:52

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>マユリさん
うーん、暗めになるのはしょうがないけど、人が死ぬの嫌いなんですよねぇ。

>エフィさん
落とし穴かぁw
仕込んでる暇無いと思うw
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月04日 07:31

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追記
最近読者の癖に文句増えてきたな、自重します。
マユリさんの好きなように書いて下さい^^
失礼しました。
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月04日 07:42

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マルスさんと逆な事を言ってごめんなさい。気を悪くしないでね。

ファンレターと思って読み流してくださいw

個人的な感想ですが
世界にある光と影の、光だけでなく、影の部分から目を逸らさないスタンスが、とてもよいと思っていますw
帝国が侵攻して来なければ、犠牲者は出なかったのにね。憎っくき帝国!!
Yupa Boleaz (Ragnarok) 2013年06月04日 09:57

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>ユパ様
もちろんこの世界にも光と闇の部分はあるでしょう、
しかし光にフォーカスした作品ばかり作れば明るくなりますしその逆も可能ですね。

まぁ、結局のところマユリさんの趣味作品なので
マユリさんが書いてて楽しいのが第一ですけどねw
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月04日 17:23

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>マルスさん
まったくその通りだと思いますw
Yupa Boleaz (Ragnarok) 2013年06月04日 20:13

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>マルスCEO、そーんな事ないですよ!
読者様あっての書き物!ひとりよがりの自慰なんて、まっぴらです!
ご意見、要望、無茶振り、上等です!(`・ω・´)b
みんなで楽しめるのが、やはり人様の目に触れる以上は必須事項なのです。
偉そうにのたまいました!(`・ω・´)b
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月04日 23:49

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>ユパ様、言いたい事をストレートに。感謝!
前に「影の部分があってこそ、光の~」なる、エラそーな事を言いました!
これに賛同いただき、ありがとうございます!
いい事ばっかじゃないけど、いい事ばっかりがいい。のも事実です。
でも、裏側が在るほうがリアリティが増す、という考えも。
そういう事で、ご意見がいただけて非常にありがたいです。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月04日 23:56

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あああ・・・
なんか語弊を招きかねないコメになった?かしら・・(・ω・)

>マルスCEO、ほんと、ご意見は超OKです!ただ、それにそぐえない文才とその他の至らない成分には、超自分的に残念で、努力します!

>ユパ様、読者の方々に負担を・・意見を戦わせていただけるのは、それだけ自分の文才を買っていただいての事。ありがたいです。
(・ω・)<凡才ゆえに、盆栽みたく生温かく眺めてくださいませw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月05日 00:02

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マユリさん、素晴らしい書物読ませていただきました。

実は外伝がまだなのですがとりあえず本編の全600話(?)は
読破しましたので、始めてコメントさせていただきます。

速読には自信のある自分なのですが、さすがに600話の量は
伊達じゃないですね。 それでも何とか1週間で全話読めました。

この外伝と関係のないコメントになってしまいましたが、
外伝も読み進めていって追いつきます。是非今後も
よろしくお願いいたします(・∀・)b
Akatuki Reo (Durandal) 2013年06月05日 14:57

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儀式様防御術式は名前の通り儀式クラスの魔法だと思いますけど、
こういうのって起動が大変だと思うんです。
(未来技術の核融合発電とか起動するのに原発必要とか・・・)
多分起動した後はハイデリンのエーテル供給で稼動し続けると思うんですけど、
事故に見せかけれるくらい一瞬でダウンさせることは可能なのかな?
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月05日 16:56

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>マユリさん
http://lodestone.finalfantasyxiv.com/rc/forum/thread?gcid=2231017&threadId=1834003
画像16 生暖かい目

絵に描かれると男前になるのは目つきの影響かなw
かわいくよりも格好良くメイクしたけどw
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月05日 17:00

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>レオさん、いらっしゃいませ!
感激です!
しかし、この量を一週間とは!(゜д゜)!
外伝。からは、少し時代があれこれと移転してますが、基本的に新生に向けて、のものですゆえ。今後ともよろしくです!
是非、お楽しみを。
(FF以外もちょろっと、書いてます・・コッチもw)
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月06日 02:26

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>マルスCEO、生暖かい、というよりもw
凛々しい!ですぅwww

で、件の結界ですが。
ややこしいゆえに、サクッと欠陥が出てくるモノ、だと。
ff11の、テレポ岩。アレがそうですね。
いろんな条件を満たして(地脈>クリスタルラインを活用して)な装置だったワケですが、空に行くためにいろんな手間が要る上に、
たまに必須アイテムがぶっ壊れて、次回はまた集めてね仕様でしたし。
今回も地脈を使う、とは書きましたが、その際の個人レベルのアイテムの使用で、不具合が出ても仕方が無い、という「可能性」を「示唆」したわけです。
使い方は個人次第、って、思いついたのがレティシアだったわけで。
なので、必ずしも「暗殺」の舞台にはならないですよ!
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月06日 02:41

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>マユリさん
自分の勝手な解釈ですが。

12の要石はフィールドに防御術式を12角形または円形に展開し、
流れ弾がフィールド外に出るのを防ぐ。
選手はそれぞれ個人に展開される小さな要石を持ち、フィールド内のみ
強力な防御術式が個人に掛かる。

このような解釈で良いでしょうか?
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月06日 14:29

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>マルスCEO、解釈の結果?
要石と地脈のですから、個人が要石を、というお話は正直考えていませんでした!さすがです!
円形に展開させて術式を設ける、のは。
個人単位の結界をさらに構築、ではなく、プロテスをさらに凄くする、というつもりだったのですが。
いやいや、これは無い発想(とても素晴らしい!)なので、採用させていただきますっ!
各自の「守護神(あたしならニメーヤ様とか)」の紋章の要石をそれに充てていることでしょう。
十二石の結界はお考え通りですし、その余波?での防御というのでは元々の考えと一緒ですし、その根拠の一つとしてイイですよー!!!
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月07日 04:57

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>マユリさん
儀式様防御術式を設定集ページに載せたいので、
仕様を詰めたものを書いてもらえないでしょうか?
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月07日 18:15

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>マルスCEO。りょーかい。でう。
あう・・・。
この場合、ちゃんと「日記」だよね。
ちゃんとせねば!(`・ω・´)!!
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月08日 02:23

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