「なあ、ユーニ。ほんまこっちでええの？」
「ユーリ。お姉ちゃんにそんな言葉使いしてもええとおもっとるんか？」
「そんなこと言うたかて。お姉ちゃん、方向オンチやんか。」
「アホ抜かせ。お前の方がよっぽどやわ。」
砂風が、乾いた空気が、熱すぎる日差しが。
姉妹に容赦なく、吹きすさび、喉を枯らし、照りつけ、痛めつける。
「あーあ。お父ちゃん、なんでこんなトコロに住んでるん？オカシイのとちゃう？」
「ユーリ、帰るならさっさとしいや。ウチは面倒見いひんで。」
姉妹・・。姉であろうユーニ。
背丈は小柄で、妹？のユーリよりも頭二つ分は低い。
長くて濃いブロンドの髪と、肉食獣を思わせる挑戦的な目は年齢を少し上に見せてしまうかもしれない。が、彼女のチャームポイントでもあるのかもしれない。
そして、ユーリ。背丈は姉に勝り、どちらかと言えば、あっけらかん、とした無防備な表情が姉とは逆に幼さを出している。
髪はブラウン、ややクセっ毛。姉とはこれも違うのだが、ショートにしている。瞳は姉妹そろって碧眼なのだが、垂れ目な彼女は愛嬌のある顔立ち。
二人して荒野を彷徨うハメになったのは、父からの通信からだった。
「おう。お前らヒマか？ヒマだろ？俺の替わりに野暮用頼む。ウルダハで待ってる。」
もちろん、二人揃って猛抗議をしたものだが、父から。「儲かる仕事だ。」の一言に、ついつい。年頃の娘というものは何かと入用なのである。
例え、彼氏が居なくとも。いや、居ないからこそ、かもしれない。
かくして二人は、のろのろと。己が集落を出ることに。
母は昨年他界して、その葬儀にも出てこなかった父には一言、文句を言いたい。それもある。
だが・・やはり、まだ見ぬ世界には、ある種の憧憬というか。
希望、みたいなモノがあるんじゃないか？と。
そのくらいには夢を見ている年頃の少女達ではあった。
だが。現実はイマイチ、優しくはなく。
「ユーリっ！、まあだ、そっち片付か、へん、の！か！」
古い木の枝を振り回し。ユーニは最後の「か！」を起源とした呪を束ねて構成を展開、術式の開放。
荒廃とよんでもいいような熱気と乾燥の中に、パキパキ、と硬化したような音と共に、涼しげな風が舞う。もともとはただの熱気を帯びた乾いた風だったのだが。
構成の内容は、標的の水分を無理やり気化させて熱を奪うことによる急速凍結。ブリザド。
気化された水分が体表の外に出て、氷柱をつくるほどに周りは冷却される。
この術式の高位版をたったの一言で完成させ、周りも巻き込んでいる。
「ユーニ！あんた、アホかあ！なんでウチまで！」見れば足元がうっすらと霜がついている。
「ああ、堪忍やで。たまたまや。」悪びれない姉。
目の前には、なんというか。黒い甲殻を持った昆虫のような。そんなのがまだ何匹もいる。
しかも、倒すのは一匹だけでよかった？むしろ、無視してそろ～っと行けばよかった？
とはいえ。やっちゃった以上は仕方ない。ついでに言えば、姉は「蟲」の類が超キライだ。
「ほんまに、ええかげん失せろやあ！このムシがあっ！」
両手に構えた大斧を振り回す。一見、乱雑だが、的確に急所をかち割り、その勢いをそのままに次の敵も屠っていく。
「ユーリ、えぐい。汁飛ばさんといてやっ！」
そんなこんなで。
目の前には。
大量の黒い虫の・・・と。
ウルダハ、とよばれる一大商業都市が。
「はあ。やっとかいな・・。」
「ユーニがあんなトコで叫んだりするからやで？」
「うっさいわ、ぼけ！あんなもん、見せる方があかんやろ！」
「よー言うわ、自分から、コッチが近道ちゃうか、言うといてからに。」
「そんなん、しらんし。ユーリがオシッコとか言いださへんかったら、ウチかてソコまで言わへん。」
「ちょ！まちいや！誰がそんなコト言うたんや！？自分ちゃうんか？漏れそうなの！てか、もう漏らしてるやろっ！」
「ほう、死んでもええんやな？」
「汚いパンツ丸出しでサカサに吊るしたるけどええな？」
「「ほうう・・」」
数秒の沈黙の後。
「ああ、不毛やわ。」
「せやね・・お姉ちゃん。」
二人して腰を地につけ、背中合わせ。
「早よ街いこ。」「せやな、アホなお父ちゃんを吊るし首にせんとあかん。」
「なーにが傭兵最強なんや。ただの筋肉バカやないけ。」
そして・・・。クイックサンドにて。
「おう、我が娘達よ。よくきた。まあ、何でも好きなもの食え。そしてコレを見ろ。」
ハイランダー特有？の豪快な肉体と、陽気なところは冒険者や傭兵ではよく見かける光景ではあるが。
金髪の傭兵、ヴォルフは二人の娘を抱きしめると、鉄拳と鉄拳と鉄拳と鉄拳と・・・
数え切れないほどの鉄拳を受け、顔がかなり変形してしまいながらも、娘達の無事を祝い。
「ああ、なんだ。コレ、参加してみねえか？」と封筒を。
ん？二人の少女は封筒を眺めつつ。
「いいかも？」「ユーニお姉ちゃんはガメツイからええんとちがう？」
「オマエは一言多いんや！」鉄拳。
小柄な姉が頭二つ分は大きい妹を殴り倒す、の構図は、１７０センチの少女が２００センチ越えの少女を殴り倒すという、ちょっとしたバイオレンスな展開。
そして止めに入らない父。（彼は２１０センチほどある。）
「ハイランダーの家族ゲンカって、何時見てもパワフルねー。」とは、女将のモモディ。
彼女はララフェルだけあって、巨人家族のケンカには手出しをする気は無いようだ。
「ま、仕方ねえな。勘定は俺もちだ。宿の手配もな。」
「まいどー。」
もうすぐコロセウムも開幕だ。プレステージには、それこそもう間もない。
「こいつ等出しても怒られないかな・・？」とひっそり溜め息をつくヴォルフ。
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１とったー！ なんで関西弁なんｗ
Rapu Taro (Hyperion) 2013年05月28日 03:51
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598話目！
後2話！
どうなるかな？ｗ
Marth Lowell (Durandal) 2013年05月28日 07:30
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>らぷさん、おめｗ
キャラ付けですねｗ関西弁ｗ実はあたしも関西人なのでｗ
京女どすぇｗｗｗ
ハイランダーの女性ってどっかの集落（田舎）で暮らしてる、って公式でもそんな扱いだったから、訛りがひどいのでは？とｗ方言と言えば関西弁しかちゃんとでてこなかったもんｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年05月28日 07:58
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>マルスＣＥＯ、後２話だ！６月に間に合いそうｗ
どうなるでしょう？ｗ
駒は揃った感があるので、これをどう進めて行こうかってトコロですねｗ
一応のあらすじはできてますがｗ
勝ち負けはサイコロ振って決めようかしらｗ出目に応じて内容が変わるというｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年05月28日 08:03
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女性キャラと虫汁のくだりはお決まりですな！あ、やな！
Fizz Delight (Hyperion) 2013年05月28日 18:37
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＞マユリさん
ロドストの絵師さんに社長を描いてもらったので貼って置きますね。
http://lodestone.finalfantasyxiv.com/rc/diary/entry?e=467572
ここの２枚目ｗ
小説設定の「装備に適正は無い」事を実現してもらいましたｗ
こんな感じで乗り込まれてもなかなか怖いなぁｗ
Marth Lowell (Durandal) 2013年05月28日 19:29
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>フィズさん。どういう決まりかは知りまへんｗ（ホントｗ
でもまあ、京都育ちではありますが。チャットだと、もしくはこういうカキコだと、いわゆる標準語？になりますねｗ
理由？それは、漢字変換してくれないからですｗ
チャット、それも戦闘中に何度もタイプしなおす、ってのは死活問題になり、ちゃんと変換してくれる方向に。
全部、ひらがなで、尚且つ方言満載だと、アホとか、関西弁だとモテる、だの、意味不明なそしりもありましたので、こういう事に。
ま、ええけどｗそして、京都弁をちゃんと喋る事ができるのは、実は地方から来た、舞妓はんやったり、芸子はんやったりしますｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年05月29日 00:28
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>マルスＣＥＯ、拝見しましたｗ
スゴイですね、あのクオリティを３０分！
小説設定では、少し意見の違いがあったようですが・・（・ω・;）
このイラストは、なんというか気迫がありますねｗ
フキダシをつけて、「やったるどー！？」とかｗ
こういうノリだと、確かに怖いですよねｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年05月29日 00:32
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話数はなんと順調な進捗なのでしょうｗ
ウルダハで何が起こるんだろう。どんどん人が、リムサ・グリダニア・ウルダハに集まって来てる！
ダーリン。ダーリンもサイトもｇｏｏｄですよ～。
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年05月29日 00:57
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>エフィたん。それは読者様あってのコトなのですｗ
３国ではいろんな人達が出てきていますが。
どういった役どころに落ち着くかしらｗ
ちなみにダーリンキャラはだれなのか？それは、あたしもしらにゃいｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年05月29日 01:31
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ええええ、凄い、FF１４のサイトも持っていたんですね、驚きです。
Queen Alutemis (Hyperion) 2013年05月29日 22:31
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エレディタって「レガシー」のイタリア語か！ｗ
フレとボイチャしててたまたまレガシーの話題で分かったｗ
リムサはイタリア語でしたねｗ
Marth Lowell (Durandal) 2013年05月29日 23:42
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>くいんさん、スゴイのはあたしじゃなく・・・
マルスＣＥＯですｗ
物語を纏め上げていただきまして。
今後とも、よろしく！ですｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年05月30日 01:06
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>マルスＣＥＯ、そーですｗ「遺産」と書いて、エレディタですｗ
彼女の生い立ち含め、一応の設定はありますがｗ
「新生」のメインを張る子のネタバレがここでなされようとは！ｗｗｗ
まあ、ビックリするほどでもないけどんｗ＜ネタとしては・・・（・ω・）
フレさんはこの「お話」をご覧になってるのでしょーか？
なってるのであれば、ご贔屓キャラとか聞いてみたいなｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年05月30日 01:16
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＞マユリさん
フレにはこの小説教えたけど、読んではいなかったかなぁ・・・。
単語はネーミング辞典って本にのってたそうですｗ
Marth Lowell (Durandal) 2013年05月30日 17:28
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>マルスＣＥＯ、なるほどｗ
ネーミング辞典、活用してますｗｗｗ
半分くらいは確認用かしらｗ
この手のは、ドイツ語とか中国語とか、かじり・・あ。スペイン語もかｗ
かの、アインシュタイン先生の、特殊相対性理論でもって、ブラックホールの直径を数値化で求めたお方。シュバルツシルト氏。和訳ですと「黒い盾」
シュバルツシルト半径とか、ＳＦ好きには堪らない音感です♪
黒衣森、だと「シュバルツバルト」ですねｗ
あ、関係ないですが・・ドイツワイン（テーブルワイン）だと、ツェラ・シュバルツ・カッツェ。「黒猫の」や、
リープフラウミルヒ「聖母の乳」、マドンナ、が有名ですが、やはりカッツェですねｗ（メーカーとしては、色々出してますけどねｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年05月31日 01:02
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＞マユリさん
上でフレは読んでないかもと書きましたが、
まとめサイトで読んでくれているみたいでしたｗ
Marth Lowell (Durandal) 2013年06月02日 23:17
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京女といえば、～どすえ～。ってイメージがあるけど、
実際の京女はそんなこと言わないんだろうな。
Sanshi Katsula (Hyperion) 2013年06月02日 23:59
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>マルスＣＥＯ、それは嬉しい限りです！
これからもがんばりまつｗ（｀・ω・´）
ご感想を・・と言いたいトコダケド。なんでしょう？お気に入りキャラが聞きたい今日このごろｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月03日 00:52
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>三枝師匠、うんｗ
どすえ、とか言われたら引くｗ超ドン引きｗ
ネタなら使うけど、内輪やとつかわへんわｗ
せやなー、な関西弁かなあ？
どすえ、か・・「そうどすえ（そうですね）」、か・・
もう、ええやん、そうしときーな。ええんちゃうん？あかへんの？
的なイラストもお待ちしています。（｀・ω・´）
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月03日 01:09
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てぃんくの京都弁のイメージって スローな品の良い関西弁なんだけど…
どすぇ?＾＾とか 言わないのねん＞＜
そろそろオヤツ持って 観覧の席取りせねば?ヾ(≧▽≦*)ﾉ
Tink Brownie (Excalibur) 2013年06月09日 08:53
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>てぃんくたん、そう？
京都弁って、すろーりーだけどｗ
品はよくないかもｗ
腹黒いのをオブラートに包んだ感じｗ
聞こえはいいんだけどねえｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年06月09日 09:37
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ユニユリの身長が以前はおおきかったのね～。
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年08月29日 23:06
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>えふぃたんｗそれはねｗ
見た目で言えば、そうなんだけどｗ
身長の低いユーニはまず、底の高いブーツｗユーリは別の意味でｗ
見た目のコンプレックスの強いユーニの正体がちらほらｗ
そんなとこかな？
その時のブーツで身長が変わる、っていうのは、本人は気がついていないｗ
これは、あたしも経験ありましてｗ
１５３センチをいかに１６０にするか？なんかｗ
ブーツコーナーを３時間くらい、その後・・・などｗ
ヒール履けば？だけど、ソコじゃない。
ピン履いたら足すげーしんどいｗ
なのでブーツｗ
結局、ジャングルブーツ（米軍）買ったｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月30日 01:30