570外伝。やはり・・・・。

砂埃舞う街。ウルダハ。
そして、成功する者と。
負けて逃げ出す者の街。


どちゃ。

音で言えば少なくとも上品ではない。
そう、少なくとも年頃の女性が置くには、少しばかり上品さが欠けている。
だが、そんなことはお構いナシに薄い色の髪を短くしたミコッテの女性、エフェメラは親友を前に席に座り。

「で?どうなのよー?ワタシ、ちゃんと仕事したよねー?」
と。

クイックサンド。
冒険者達の溜まり場であり、憩いの場でもある。
その一つのテーブルに。

「メシいこうぜ。」と誘っておきながら、実は結構タカる気まんまんである。
なんせ、上向き企業に入った親友。タカらない方がどうかしてる。

「え?あー。」
指に嵌めたパールで連絡していたらしい。
「や、別に急ぎはしないのよ?だって親友じゃない?」
にこやかな笑顔。
「あはははは!そうよね!」とエリス。

腰に刷いた剣がやけに重い。
姉が見れば・・・。おそらくは、一発でバレるだろう。
ついでに言えば・・・



「あの・・・。しゃちょー。ちょっといいですかにゃ?」と伝心。
「どうした?緊急か?」
「そおの・・ちょおおっと経費で落としたいのがあるんですけど・・・。」
「なんだ?率直に言え。」
「その、姉の、セネリオの剣なんですが・・・。」
「ああ、セネリオの装備なら気にするな。経費でなんとかしよう。他には?」
「いえ!なんでも!他にはないですにゃ!」
「ふん。ヘンなヤツだな。」


というやり取りがあり、目眩どころか、この始末をどうつけるのかが非常に問われるなか。
料理や酒が運ばれ。
「そ、そう。エフィ?彼氏はできたの?」
と。
「え?いきなり?」
「うんそう。どう?」(ここは少しでも時間を稼がないと。)
「うーん。ワタシ的には・・・。もうちょっと、かなあ?」
小首を傾げる彼女は、アンニュイで、男性が同じテーブルに居れば間違いなく今夜の宿を聞くだろう。
まあ、自分の知る限りではその問いに成功した男性はいないのだが。

たぶん、スルーできた(金銭のお話)はずだが

「で、ちゃんとお代金の話ついたの?」
しっかりキタ。

「うん、大丈夫。ちゃんと。」尻尾の毛が後ろで逆立ちしてるのがわかる。
「ダイジョウブデスヨー。」と念を押す。

「あやしい・・・・。」目の前のパイを頬張りながら、視線は椅子の下の方。

「いやいやいやいや!エフィ?私達、友達だよね?」
「オンオフはちゃんとしないとね。セネリオさんの剣、かなり高価だからねー。社長さんほどじゃないけど。」
「ですよねー。」
「大丈夫?」
「ですよね・・・・・・・。」
ぱく。さらに一口。
エリスはほとんど口にできていない。
「まあ、いいわ。今回に限りまけてあげる。」と、一口。
「え!」
「その代わり、食事代10回くらいは必要かなあ。」
「ひええええ!!!!」
「当然であーる。」

「ふにゃあああ・・・・・・。」とエリス。

「ふふん。」と勝ち誇るエフェメラ。


----------コメント----------

ふふん♪
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年04月27日 09:55

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ふにゃあああ・・・・・・
Elice Lowell (Durandal) 2013年04月27日 10:41

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>お二人ともナイスりあくしょんw
エフィさんの方が少し上から?w
エリス嬢は少しヤラレ気味ですねw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年04月28日 02:29

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